皆さんは「脱毛したら逆に毛が濃くなってしまった」という話を聞いたことはありますか?施術後に毛が太く・濃くなってしまう現象は「硬毛化」と呼ばれていて、脱毛のよくある副作用として知られています。
毛をなくすために脱毛しているのに、逆効果になるのではと心配になりますよね。しかし、硬毛化には予防法がありますし、ほとんどの場合は治すことができるんです。
『硬毛化』とは?
まずは硬毛化とはなにか、症状や原因、似たような現象の「増毛化」とはどのように違うのかを解説します。
硬毛化の症状
硬毛化とは、レーザーや光をあてた部位の毛が、脱毛前よりも太く・硬くなる現象です。
硬毛化の程度や量は人それぞれです。硬毛化が起こるまでの医療脱毛の回数は一概にはいえませんが、通院し始めの施術初期よりも、4~5回目に起こることが多いといわれてます。
また、硬毛化は施術後すぐに発症するのではなく、1~3ヶ月程度経過した後にみられることが多いです。
POINT
不安になる人も多いと思いますが、実は日本のクリニックの統計をみると、硬毛化になる確率は1%程度だといわれています。およそ100人に1人という割合なので、過度に心配する必要はありません。
硬毛化の原因
残念ながら、硬毛化の詳しいメカニズムははっきりとはわかっていません。
一説によると、光やレーザーの照射パワーが弱く、毛根に十分なダメージを与えられなかった場合に起こりやすいと考えられています。
なにかしらの原因で毛根を破壊できなかった場合、光やレーザーの刺激で毛根細胞が逆に活性化されてしまい、その結果毛が濃くなってしまうのではないかといわれています。
POINT
クリニックで行う医療脱毛、脱毛サロンで行う光脱毛だけでなく、自宅で行う家庭用脱毛機でも硬毛化は起こる可能性があります。
硬毛化と増毛化の違い
硬毛化とよく似ている現象のひとつに、「増毛化」があります。同じような症状に見えてしまいますが、増毛化は毛そのものの数が増えてしまう現象です。
とはいっても、脱毛で新たな毛穴ができるというわけではありません。光やレーザーの刺激によって休止期だった毛穴が活性化し、毛が増えたように感じるだけです。
硬毛化と同様に、原因は科学的に解明されていません。もともと毛が細く、薄い部位で症状が出やすいため、硬毛化と見分けがつきにくいケースがあります。
『硬毛化』になりやすいのは?
これまでの報告から、硬毛化になりやすい部位・なりやすい人の特徴がわかってきています。
硬毛化になりやすい部位
硬毛化が起こりやすい部位は、産毛が生えているところです。
● 背中
● 胸
● お腹
● 太もも
● ヒップ
● 二の腕
● 肩
● うなじ
具体的には上記のような部位に起こりやすく、逆にVIOやワキなど、もともと毛が太く濃い部位はほとんど硬毛化しません。
産毛の脱毛はメラニン色素が少ない分、光やレーザーの熱が十分加わりにくいため、硬毛化しやすいと考えられています。この中でも肩やうなじは特に産毛が多く、硬毛化のリスクが高い部位です。どうしても硬毛化を避けたいという人は、リスクが高い部位には照射しないという手もあります。
- 今の産毛がどうゆう状態なのか知りたい。
- 脱毛で硬毛化しないか不安……
- 一度専門家に相談してみたい。
硬毛化になりやすい人の特徴
硬毛化しやすい人の特徴は、3つあります。以下の条件にあてはまる人は、念のため注意が必要です。
体毛が薄い
硬毛化はもともと体毛が薄く、産毛が多い人に起こりやすいといわれています。もとから生えているムダ毛がそんなに濃くないという人は、普通ではあまり硬毛化しない部位にも症状が出やすいかもしれません。
体毛の密度が高い
もとから毛量が多く毛の密度が多い人は、硬毛化を起こしやすい傾向にあります。体毛の密度が高いと光やレーザーが均等にあたりづらく、効果にバラつきが出てしまうからです。
しっかりと照射できなかった毛根が活性化してしまい、硬毛化する可能性は高いといえるでしょう。
POINT
体毛が薄くまばらに生えている部位と比べると、生まれつきムダ毛がみっしり生えているような人は、注意が必要かもしれません。
毛根の位置が深い
毛根は通常、皮膚表面から2mm~3.5mmほどの深さにあります。しかし、毛根の深さには個人差があり、中には生まれつき浅い位置や深い位置にある人もいるのです。
しかし、毛根の深さは見た目だけではわからず、事前に硬毛化のリスクがあるかどうかを判断するのは難しいです。
POINT
毛根が深ければ必ずしも硬毛化するというわけではないので、あくまで参考として理解しておきましょう。
『硬毛化』の予防と対処方法
硬毛化の予防方法
硬毛化は誰でもなる可能性があり、完全には予防できません。しかし、以下の3つのポイントを知っておくことで、ある程度リスクを軽減できます。
脱毛機の出力を調整してもらう
脱毛機の照射パワーが不十分だったことで、硬毛化が起こってしまうケースがあります。
スタッフに硬毛化が不安だと伝えたうえで、脱毛機の出力を上げてもらうと硬毛化予防につながるといえるでしょう。
毛根を刺激しない脱毛方法を選ぶ
同じ脱毛でも機械の性能が異なっていて、脱毛の仕組みも変わってきます。なかでも、毛根に直接ダメージを与えるタイプの脱毛方法は、硬毛化のリスクが高いです。
硬毛化リスクが高い脱毛方法は下記方法が挙げられます。
● クリニックの医療脱毛:「熱破壊式脱毛」
一方下記脱毛方法は、毛根ではなく毛包にダメージを与えて脱毛効果を得る方法です。
● サロン脱毛の「SHR脱毛」
毛根を刺激しにくいので、硬毛化のリスクもぐんと下がるといわれています。
脱毛の際の硬毛化が不安な人も安心してご相談ください。
医療脱毛クリニックで施術を受ける
硬毛化を予防するには、スタッフの技術力や実績などもチェックしておく必要があります。
また、クリニックでは硬毛化が起きた際のサポートが充実しています。例えば、医師による診察や無料の再照射などです。
一方、脱毛サロンは医療機関ではないので、医師が在籍していません。硬毛化が疑われる場合は、提携している病院に出向いて診察してもらう必要があります。
硬毛化の対処方法
もしも硬毛化が起こってしまったとしても、焦る必要はありません。適切な処置を行うことで、最後まで脱毛を完了させることができるからです。
施術を継続する
もしも硬毛化していることに気づいたら、まずはスタッフに相談してください。
硬毛化したことがわかった場合でも、まずはそのまま照射を続けることが多いです。硬毛化した毛は濃く太くなるため、光やレーザーが反応しやすく、脱毛効果を得やすいと考えられています。
施術を一時休止する
硬毛化が疑われる場合は、脱毛を一旦お休みするのも一つの手です。毛周期に自然に毛が抜け落ちるのを待つことで、元の太さに生え変わるケースがあります。
しかしながら、人によっては硬毛化したままの毛が生えてくることも。その場合は、照射を重ねたり、ニードル脱毛に切り替えたりする必要があります。
POINT
特に毛抜きを使った自己処理は、毛周期の乱れにつながるので禁物です。
施術を再開したときに脱毛効果が下がってしまうので控えましょう。
ニードル脱毛を受ける
なにをしても硬毛化が改善しない場合の最終手段が、ニードル脱毛です。
ニードル脱毛は、光やレーザーのように熱を使用せず、毛穴に細い針を挿入して電気を流します。
ただし、ニードル脱毛は1本の処理に数百円と高い費用がかかり、かなりの痛みを伴うというデメリットがあります。
また、ニードル脱毛は医療行為にあたるため、医療機関でしか受けられません。
POINT
すべての脱毛クリニックがニードル脱毛に対応しているわけではないので、万が一の保険として検討している人は、あらかじめチェックしておきましょう。
クリニック選びのポイント
硬毛化のリスクを避けるためには、信頼できるクリニックに通うのが一番です。医療脱毛を考えている人は、以下の3つのポイントを参考にしてください。
硬毛化の保証があるクリニックを選ぶ
クリニックによっては、万が一硬毛化が起きた場合の保証が準備されています。
コースが終わってしまったのに、硬毛化のせいで追加料金を支払うなんて嫌ですよね。
無料保証の回数や期間は、クリニックによって異なります。硬毛化が疑われる場合の再診が無料であるかどうかも、要チェックです。
POINT
程度によっては、硬毛化の判別が難しい場合があります。施術前の写真を残しておくことで、硬毛化が認められやすくなるでしょう。
追加照射の有無や料金をチェック
無料の追加照射保証が付いているクリニックでも、期間内に硬毛化が改善されるとは限りません。
回数内で満足いく効果が得られなかったとしても、コース終了後は割安で追加照射が受けられるのが一般的です。
無料カウンセリングでクリニックの方針を確認
硬毛化が起こるかどうかを事前に判断するのは難しく、実際に施術してみないとわかりません。ほとんどの医療脱毛クリニックでは、カウンセリングの際に硬毛化のリスクについて説明があるはずです。
万が一、硬毛化が起こった場合のアフターフォローが充実しているクリニックであれば、安心して施術を任せられるでしょう。
正しい脱毛方法を選んで硬毛化リスクを軽減!
もしも硬毛化が起こってしまっても、ほとんどの場合は、通常の毛と同じように脱毛できます。一時的な現象とはいっても不安になると思いますが、正しい知識さえあれば、心配しすぎる必要はありません。
信頼できるクリニックなら、硬毛化のリスクや対処法についてもしっかり伝えてくれるはずです。